2023年07月23日

驚きと感動

村上先生と初めて会ったのは、ファミリーレストランでした。
カルト化教会被害者の集まりがあって、そこに来ることを勧められたのですが、いきなり大勢の知らない人の中に行くのも気後れするし、
遠いこともあって、先生の予定に合わせてわたしが行けそうな場所で待ち合わせをしたのでした。

2時間ぐらいお話をしました。
相談内容はここでは触れませんが、初めて会ったその日、そして村上先生と会うたび、
そしてその後カルト化教会被害者の集りに参加するようになってからも、驚くことが続くのです。

初めて会った日、まず驚いたのは、「先生、ここまでタクシーでいらっしゃったんですか?」と聞いた私に、
「バスで来たんだよ。」とおっしゃったこと。
 牧師先生が旅行先で移動する時って誰かが車で送るか、タクシー、レンタカーを使うものと思い込んでいたので、とても驚きました。
バスってレンタカーやタクシーに比べたら料金は安いけど、坐りごこちはよくないだろうし、バス停で待ってるのも暑いし大変なのになぁと思いました。

次に驚いたのは、話の途中で村上先生が、
「ドリンクバーで何かとって来ましょうか?」と言ってくださったこと。
ラブシャワーの時期なら牧師や教会員の人たちが誰かに愛を注ぐ、何かしてあげる、せわをやくってことはあるけれど…。
けれど、そうではない時に牧師が信徒のために動くなんて考えられないことです。

カルト化教会では、いつもスタッフや信徒が忙しくしているのが普通でした。
イベントや愛餐会の時も、虐待的牧師が何かしていると、スタッフや役員、信徒が
「先生、いいですから座っていてください。私がしますから。」と言ってすぐにその仕事をしていました。
牧師はカウンセリングをしたり、メッセージを語るのが主な仕事で、それ以外の雑用や洗い物なんて、信徒の仕事だと思っていました。

だから本当はコーヒーかオレンジジュースがほしかったけど、牧師先生に飲み物をとってきてもらうなんて申し訳なくて、
「ありがとうございます。大丈夫です。今はいいです。」と言って我慢しました。

その日の飲み物は先生がおごってくださいました。
それもとても申し訳なくて恐縮したのを覚えています。
(先生はそうおっしゃってるけど、おごってもらったら失礼だから、ここはお金をわたすべきかもしれない。)
(いや、先生がいいと言ってくださるんだから、それに従った方がいいかも…。)
わたしは葛藤しました。

さらに、席を立つ少し前から、とても困っていて、迷っていることがありました。
わたしは村上先生との話の後、バスでべつの所へ行くことにしていました。
お店からバス停は近いとは知っていましたが、場所がよくわかりません。
店員さんに聞くべきか、村上先生にお願いしてもいいのかすごく迷いました。

それは、カルト化教会時代、兄弟姉妹に送迎してもらっていたことがあって、そのことで虐待的牧師から責められたことがあったからです。
わたしの他にも送迎している人たちがいたので、送迎チームを作って週ごとに当番せいにしてはどうかという案が教会員の一人から総会の時に出ました。
「特定の人だけで担うのは大変だから…」と。
そうしたら、総会後私は虐待的牧師に呼び止められて責められました。
電話でも1時間近く話があり、私はその時悔い改めの祈りまでしたのです。
(送迎の件ではわたしは何も発言してないし、お願いもしてないのに責められるなんておかしな話です。
意見言ってくれた人も間違ったことは言ってないのに…。)

そのことですごく傷ついていたので、人に何かを頼むなんて怖くてしたくありませんでした。
牧師先生に頼むなんてよけいできないし、してはいけないのではと思いました。

でも、店員さんがどこにいるかもわからないし、近くに頼めそうな人もいないし、村上先生に頼むしかないなと感じて、思い切ってお願いしてみました。
すると、「いいよ。」と言って気軽に誘導してくださったのです。
そして私のバスが来るまで一緒に待っていてくださいました。
夏の暑い日なのに…。
 

 その2ヵ月後、わたしは初めてカルト化教会被害者の集りに行きました。
会の後、皆でマクドナルドへ行きました。
村上先生も一緒でした。
その日、わたしは先生とはあまりお話できなかったけど、向かいで誰かとお話している村上先生を見ながら、感動していました。
だってカルト化教会では、牧師と信徒たちが一緒にマックに行くなんてまったくなかったし、
先生も本当に落ち着いた普通の雰囲気でお話されているのです。

カルト化教会だとファミレスやファーストフードに、牧師と一緒に入るなんてありません。
とくに他県から来てくださっている先生と一緒の時はレストランでランチ、食堂の定食などだったから、とても驚きました。

2度目に会った日、わたしは村上先生に、「牧師って教会で何をする人ですか?」と質問しました。
それは普通の教会のことがほとんど何もわからなかったからです。
先生は、「牧師と信徒は台頭なんだよ。
役割が違うだけで、神様の前には平等なんだよ。
牧師は仕えられる人ではなくて、仕える人なんだよ。
牧師は特別ではなく、普通の人。」と教えてくださいました。
でも、その時はまだ納得できなかったのです。
牧師はみ言葉を語ることが大きな役目で、それがあるから他のことは役員や信徒がするものだと思っていました。
雑用とか掃除なんて牧師はしないと思っていました。
それどころか、その頃までわたしは「牧師は神様に選ばれた特別な人。
神様の次に偉い人。
信徒とは別格。」と思っていました。

しかし、村上先生を見ていると、牧師も普通の人なんだってことが少しずつわかってきたのでした。
いいえ、普通以上にすすんで人々に、信徒に仕えているのでした。

聖書で牧師に対しては、「群れの見本となりなさい」って書かれているけど、
「仕える」ってこういうことなんだって知って感動しました。



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