2008年02月27日

マインドコントロール

2008/2/27 16:17
「マインドコントロール」  カルト問題
 「なぜカルト宗教は生まれるのか」(浅見定雄 著 日本キリスト教団出版局)を読んでいます。
今までもカルトに関する本は何冊か読みましたが、その中でもこの本は、洗脳とマインドコントロールの違いについて、
またマインドコントロールとはどのようなものか、特にわかりやすく説明されていると思います。
洗脳とは、本人が望んでいないのに、暴力や狭い部屋に閉じ込めるなどして、強引に本人の思想や信念を変えることです。
一番多いのは、戦争捕虜の教育。アメリカ人の捕虜が共産主義の洗脳を受けたり、その逆に共産主義の人たちが自由主義を悪く言えないようにされていました。
 マインドコントロールは、強制を伴わず、変えられていく本人が自分では納得して自発的に考えたり、行動したり、決めたりしていると思わせられています。
 「なぜカルト宗教は生まれるのか」で、とてもわかりやすい例が取り上げられていました。
朝のテレビで、ボスニア・ヘルツェゴビナの戦争孤児やアジア・アフリカの餓えた子供たちの映像を見た直後、玄関でチャイムが鳴る。
出てみると純情そうな娘さんが立っている。そして「難民募金をお願いします」と言う。
主婦は、その娘さんのことを偉いと思い、この戦争孤児や飢餓に苦しむ子供たちがかわいそうと思っていたところなので、喜んで募金に応じてしまいます。
しかしそれは統一教会のいんちき募金でした。
ここでは、募金の本当の目的を隠すという情報コントロールがあります。
「募金のボランティアをする人に悪い人はいない」という信頼の法則も働いています。
またきのどくな子供たちへの同情という感情が悪用されています(感情コントロール)。
マインドコントロールにかかりやすい人はいない。だれでもかかる可能性はある。しいて言うなら、(私はマインドコントロールなんかにひっかからない)と思っている人がひっかかりやすいのだと書いてありました。
ある牧師から、「教会のカルト化は信徒にも問題がある。きちんと聖書を読んでいればそんなことにはならない。」と言われたことがありました。
私の他にも、教会のことを相談して、「信徒に問題があるからだ」と言われた人はけっこういます。
今まで他のカルト化教会を脱会した友人やクリスチャンの先輩が、「あなたは悪くないよ。」「そんな風に考えるように操作されていたんだから、あなたは悪くないよ。」と言ってくれていましたが、
教会があんな風になるまで気付かなかったのは、自分が悪いから、私にも責任があると思っていました。
しかし、この本の説明を読んで、自分が悪かったのではない事がわかりました。
一部引用します。


 また、カルトにかぎらず、マインドコントロールの問題では、根本的に「騙された」本人より「騙した」側が悪いのです。
悪いのは結婚詐欺師の方です。それを真剣に愛した方ではありません。
人を信じたり愛したりすることがどうして悪いのでしょうか。
大人を信じて誘拐された幼稚園児は、大人を信じない子供より悪いのでしょうか。
(3マインドコントロール、「再び親と家族へ」)
 加えて現代のマインドコントロールの技術は、「普通の」「健康な」人でも自由に操られるほどに発達してしまいました。
幼稚園の帰りに知らないおじさんを信じてしまう子供は、けっして「不健康な」「弱い」子供ではありません。
むしろ愛情ある両親に育てられた「健全な」子供です。
その子は両親を通して、「大人って信じていいものだ」ということを学んだのです。
(5 カルトとキリスト教「マインドコントロール」)「なぜカルト宗教は生まれるのか」浅見定雄著 日本キリスト教団出版局)


このような考え方で、自分を肯定すること、いい評価をすることは、大切だと思います。
私だってイエス様を救い主と信じて、救われたことが嬉しくて、感謝していて、神様が喜ばれることをしたいと思っていました。
多くの人に神様の愛を知ってほしいと思っていました。私にできることは喜んでやりたいと思っていました。
牧師は神に立てられたみあぶらを注がれた器だから、100%正しくて、間違いをしないと思っていました。牧師の言うことを聞いていれば大丈夫と思っていたのです。
ヘブル語で「敬う。尊敬する」という単語には、「見積もる、量る。判断する。尊敬する」という意味があると教えてもらいました。
その行為一つ一つを見積もること、判断することが大切で、「何でもかんでも全て無条件に尊敬しなさい、敬いなさい」という意味ではないんだそうです。
あの頃の私はそのようなことを教えられていなかった。知らなかった。だから脱会者が増えるまで気づかなかったのです。
知らないことは悪いことではありません。
だから「聖書をきちんと読んでいないからあなたにも責任がある」という言葉にとらわれなくていいと、これから楽しみながら聖書を学んでいけばいいやって思えて、とても心が軽くなりました。
マインドコントロールの説明はこちら
新潟マインドコントロール研究所
http://www.n-seiryo.ac.jp/~usui/mc/index.html

  


Posted by スイトピー at 16:17